シュンギク◎豊富なβカロチンが免疫力を高める

5月ごろに花を付けるキク科の植物であることから、「春の菊」という名で呼ばれるシュンギク。すき焼きなど鍋物に欠かせない食材であるため、日本古来の食材というイメージが強いようですが、原産地は地中海沿岸部といわれています。ただし西洋では観賞用の植物と位置づけられており、食用にするのはアジア圏に限られています。
緑黄色野菜でもあるシュンギクは、βカロチンという栄養素を豊富に含んでいます。βカロチンには細菌やウイルスに対する免疫力を高める働きがあるため、かぜなどの感染症の予防に効果があります。また、粘膜や皮膚の乾燥を防いだり、のどや気管支などの呼吸器を保護したり、視力を維持するなどの効果も知られています。さらに、βカロチンとビタミンCとの相乗効果による抗がん作用も期待できます。
シュンギクの独特の香りの元になっているのは10種類にも上る精油成分で、自律神経に働きかけて胃腸の働きを活性化します。これらの成分は咳や痰を抑える働きも持つため、かぜをひいたときにも有効な食材といえるでしょう。このほかシュンギクには、さまざまなミネラルが含まれているため、血圧降下や貧血予防、血中コレステロールの低下といった作用を発揮します。
シュンギクの効用を最大限に生かすには、茹ですぎは禁物。茹で汁にビタミンCが流れ出してしまうからです。シュンギクは、強い香りの割にはアクが少ないので、軽く茹でるくらいにとどめましょう。新鮮な状態であれば、サラダとして生食するのもお薦めです。
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